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日程
2023年8月8日(火)18:30~20:30
会場
山本能楽堂
〒540-0025 大阪市中央区徳井町1-3-6
登壇者
・串田和美(演出家・俳優)
・山本章弘(観世流能楽師)
・安田登(下掛宝生流能楽師)
・茂山千之丞(大蔵流能楽師)
・藤本隆行(Kinsei R&Dディレクター・照明デザイナー)
概要はこちら
ルーマニアの都市、シビウで毎年行われている「国際演劇祭」についての基本的な解説と参加するまでの経緯、また、山本能楽堂さんが上演した「ファウスト」についての報告会。如何にして上演にこぎつけたのか、「ファウスト」を“能”の作品にすることの難しさや、結果的な面白さを、スライド資料を交えながら、登壇者たちが楽しく話されていました。
非常に興味深かったのが、シビウ国際演劇祭が、ここ数年、参加国、参加人数を増やしていること。また、その中に日本人が常連として名前を連ねていることでした。演劇祭のラストは必ず現地演出家による大規模な「ファウスト」なのですが、今年、山本能楽堂さんも「ファウスト」を上演し、串田和美さんも「月夜のファウスト」という独り舞台を上演しました。つまり、3作品「ファウスト」が上演されたうち、2組が日本人であるということが、とても大きなことだったようです。
山本さん曰く、以前「オルフェウス」という作品を「能」作品にしたことがあるのだと。「オルフェウス」はヨーロッパの人なら誰でもストーリーを知っている作品で、それを「能」にすることで、むしろ「能」の独自性、特徴をアピールすることができると知ったのだそうです。今回の「ファウスト」も、そのままだと「能」にしにくかったため、原作では聖書の部分を、仏教ならどうなるか?で試してみたり、狂言で使う技法を取り入れてみたりと、かなりの工夫をして、上演にこぎつけたのだそうです。
山本能楽堂はとても綺麗な施設で、建物自体が国の有形文化財になっているほどでした。大阪の中心地にあり、アクセスもしやすく、普段から、かなりいろいろな企画をやっているようでした。
この日の参加者は、能楽堂の支援者の方が多かった印象ですが、中には純粋な観劇ファンもいたようでした。
レポート:福永光宏