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日程・プログラム
2023年10月7日(土)14:00~15:30
「演劇を体験してみよう!お試しワークショップ」(第1回)
会場
江原河畔劇場
〒669-5311 兵庫県豊岡市日高町日置65-10
概要はこちら
豊岡市や地元の支援学校の協力を得て行われた、障がいのある子どもたちなどを交えた演劇ワークショップの第1回目。翌週の10/14に第2回目のお試しワークショップもあり、その後再度、興味のある参加者を募り、全8回の稽古で作品を作り、最終日12/17には発表会も予定されています。
周囲に支援学校の職員さんや市役所の方もサポートメンバーとして見守る中、参加者とスタッフ全員で輪になって、自己紹介をするところからスタートします。
最初は、自由に好きなところに座り、輪になっていましたが、自己紹介の後、名前の順に並び変えることにします。並び替えのためには当然、“コミュニケーション”が必要となり、隣の人の名前を確認しあいます。名前の順の並び替えが上手くいくと、次は誕生日順に並び替えをしてもらいます。しかし、今度は「声を出さない」というルールが追加されます。皆それぞれに、指で数字を作るなどの工夫をして、時間をかけて並び替えをしていきます。これもいろいろな“コミュニケーション”の手段を考え、実践していくためのワークとなっています。
続いて、輪になったまま「拍手を送りあう」ゲーム。一人が送りたい相手の方を向いて(意識して)拍手をします。それを受けた人は、今度はまたそれを次の人に向けて送る、という繰り返し。最初は恥ずかしそうにやっていた子たちも、徐々に素早く回すようになり、皆がそれぞれに楽しんでいるのがわかります。
これらのような簡単なワークを重ねていく中で、徐々に参加者の緊張はほぐれていき、また、各々の特徴がスタッフにもわかってきます。
最後はジェスチャーゲーム。あるお題を設けて、動きをつけてそれを表現し、お題が何であったかを当てるゲームです。まずはスタッフによる見本として「バス」というお題のジェスチャーを見せます。ジェスチャーと言っても、声を出すのもあり。「バス」という言葉さえ出さなければいいというルール。言わばショートショートの芝居を見せる構造になっています。内容を理解した参加者を、スタッフ交えて3つのチームに分け、それぞれまずお題を考えるところから始め、どんな構成のジェスチャー(芝居)にするかまで話し合います。
20分ほど打ち合わせ、および練習時間をとってから、発表という形で、各チームが出題の「ジェスチャー(芝居)」を皆の前で演じます。3チームが3様に面白いアプローチでお題(「お化け屋敷」「鬼退治」「ディスニーランド」)を演じ、それ自体がとても面白い作品になっていました。そして、見ている側も楽しみつつ一生懸命にお題を当てていきます。
とても気楽に楽しめるゲームでありながら、「演劇」の、とてもミニマムな構造にも見えて、それを短時間で子どもたちに体験させる、とてもよく考えられた、有意義なワークショップでした。
全てを終えてから最後にもう一度、全員で輪になり、スタッフの方から、今日の回がお試しであること、もし興味があったら次回も参加してほしいこと、そして今日のような「芝居」作りに興味があるようだったらぜひ、発表会に向けての8回の稽古にも参加してみてほしいという説明がありました。
どの参加者もとても充実した表情で、前のめりに、参加したい気持ちが溢れているように感じました。
江原河畔劇場さんは、以前から支援学校と一緒に演劇を使ったワークショップをしており、そのノウハウもあるので、とてもスムーズに、しかも楽しい空気を作りながら、確実に演劇の魅力を参加者にもその保護者にも伝えることに成功していました。
サポートの職員さんたちもとても楽しそうにその光景を眺めていて、「久々に笑ったなー」と嬉しそうにつぶやいていました。
こういった活動が他の地域でも応用できるといいと感じました。
12月の発表会もぜひ観に行きたいと思っています。
レポート:福永光宏